日本初の国産自然栽培コーヒー園「Japonic Coffee Farm 阿蘇」

Informationイベントのお知らせ

自然栽培コーヒー園見学&収穫体験ツアー

2024年2月11日(日)に「自然栽培コーヒー園見学&収穫体験ツアー」をテーマに、株式会社Japonic Coffee Farm主催イベントを開催いたします。お申し込みと詳細は下記をクリック!
PDFデータ

Story日本初「国産自然栽培コーヒー園」

阿蘇の環境と自然栽培が、コーヒーの常識を変える

コーヒーの産地と聞くと、どこを思い浮かべますか? ブラジルやコロンビア・パナマなどの中南米や、エチオピア・タンザニアなどのアフリカ、あるいはインド・インドネシアなどの南アジアでしょうか。コーヒー産地の一般的なイメージは「熱帯」あるいは「温暖な気候」だと思います。実際に世界の主だったコーヒー産地は、「コーヒーベルト」と呼ばれる、北回帰線と南回帰線(北緯23度26分~南緯23度26分)の間に位置しています。

一方で、ハワイのコナやアフリカのキリマンジャロ、ジャマイカのブルーマウンテンのように、世界で「高級」と呼ばれるコーヒーの産地には、もう一つの特徴があります。それは「標高」です。世界最高級のコーヒーの一つ、ゲイシャ豆を生産するパナマのエスメラルダ農園は、標高1,600m~1,800mに位置します。標高が100m上がるごとに、コーヒーのグレードが上がるとも言われています。それはなぜでしょうか。

答えは「寒暖差」と「年間通じての安定した気温」にあります。

コーヒーにはイメージとは異なり「暑さには強いが、暑さを好むわけではない」という特色があります。さらに、コーヒーに限らず、果樹栽培における「糖度」を増すための栽培技術の一つに「寒暖差の利用」があります(赤や黄色のコーヒーの実から分かる通り、コーヒーも「果実」がベースです)。冬場や早朝・夜間の厳しい冷え込みと、日中や夏場の暑さ。この両者の気温に差があるほど、植物の生存本能が刺激され、糖度や香りが増すと言われています。コーヒーの場合は、寒暖差によってチョコレートのような甘みと、強いアロマが生まれます。酸味や苦味は少なくなり、香りの強さとクリーミーさ、マイルドな甘みが特徴づけられることになります。

もちろんですが、コーヒー自体は元々、寒さにはあまり強くありません。では、コーヒーベルトにおける「標高の高い場所」の気温は、どのようになるのでしょうか。これは、ジャマイカのブルーマウンテンの年間平均気温の推移です。

年中を通じて、最高気温は20~25℃前後、最低気温は12~15℃前後の範囲に収まることが分かると思います。まるで「空調管理された工場」のようですね。パナマのエスメラルダ農園の場合、標高が1,600~1,800m前後ですから、最低気温はさらに3~4℃は下がると考えらえます。このように、最高級コーヒーは最高気温25℃前後、最低気温11~12℃くらいの環境を年間を通じて保てる環境で栽培することが、必須条件の一つになります。

ところで、最高級コーヒーの必須条件には、もう一つあることをご存じでしょうか。実は、コーヒーには「火山性土壌」を好むというもう一つの特色があります。ハワイ・コナやキリマンジャロ、ブルーマウンテンといった「高級コーヒー産地」には、すべて「火山」が共通して存在しています。コーヒーは基本的に、水はけのよい肥沃な土壌を好むのですが、少し酸性の土壌が栽培には適しており、火山性土壌はこの点をすべて満たします。パナマのエスメラルダ農園も、バル火山の裾野に位置しています。最高級コーヒーを実現するための2つの必須条件、気温と火山性土壌。この両者を満たす自然環境は、残念ながら日本には存在していません。日本でも国産コーヒーはごくわずかですが、沖縄・奄美・小笠原等の温暖な地域で栽培されています。ですが、気温と火山性土壌の両方を満たすことは、現実的には難しいです。

そこで私たちは「阿蘇」に注目しました。


Japonic Coffee Farm阿蘇の特色

阿蘇の大自然

1.阿蘇の自然環境

最高級コーヒーを実現するための2つの必須条件、気温と火山性土壌のうち、気温はビニールハウスを用いることで管理できます。一方で、火山性土壌は「他から持ってくる」ことはできませんので、火山のある場所に限定されます。世界最大のカルデラである阿蘇山は九州・熊本に位置し、火山性の肥沃な土壌と豊富な水、そして九州に位置することで基本的には温暖でありつつ、標高500m前後になりますので季節や時間帯による寒暖差が存在します。ビニールハウスと組み合わせることで、最高気温25℃前後、最低気温11~12℃の環境を実現しやすい条件が揃っています。

木村秋則先生(左)と弊社代表佐藤

2.日本初の「自然栽培」によるコーヒー本来の味の追求

自然栽培とは、「奇跡のリンゴ」で知られる青森県弘前市在住の木村秋則先生が提唱する「無農薬・無肥料・除草剤なし」で、土の微生物の力を活かし、作物の原産地に近い条件にて栽培を行う農法です。自然の力を活用することで、作物本来の味や香りをより楽しめるだけでなく、農薬・肥料・除草剤を使わないことから、安全・安心な食材としても人気があります。例えば自然栽培米は1kg1,000円~1,500円程度など、魚沼産コシヒカリよりも希少で高級な食材として流通しています。Japonic Coffee Farm 阿蘇では、日本で初めての自然栽培によるコーヒーの育成を行い、糖度や香りをより追求することで、コーヒーそのものが持つ味を最大限に引き出していきます。

南阿蘇の年間平均気温

3.テクノロジーによる緻密な環境制御と低環境負荷

ビニールハウスを用いた気温や潅水量の管理については、IoTを活用して効率的に行うほか、特に重要な温度管理については、地熱を活用するための地中断熱工法や遮熱シートの活用など、冬場の地温低下の影響を軽減するための新技術も導入します。さらに、ヒートポンプと再生可能エネルギー(グリーン電力)を組み合わせることで、CO2発生を防ぎ、環境にも優しい温度管理を実現します。将来的にはビニールハウス上の空間に太陽光発電パネルを設置することで、コーヒーが好む日陰を作りながら、ヒートポンプを稼働させるための電力を自前で賄うソーラーシェアリングの導入も予定しています。


Project Startプロジェクトスタート

2022年5月、Japonic Coffee Farm 阿蘇 始動

日本初の国産自然栽培コーヒー園「Japonic Coffee Farm 阿蘇」は、2022年5月に熊本県南阿蘇村で始動しました。当初は80本の苗木からスタートしますが、苗木にもこだわり、阿蘇の上野ファームさまの有機栽培苗木を40本、奄美大島の栄農園さまの有機栽培苗木を40本導入しています。いずれも3年物・4年物の苗木のため、初収穫は2023年3月から4月の予定で、2024年から本格的な収穫が可能となります。

栽培にはコーヒーの本場の一つ、アフリカのタンザニア出身で実家がコーヒー園を経営、現地観光ガイドを経て現在は南阿蘇村に在住のオーガスト・バルタザリさんを始め、複数の栽培経験者が担当します。

Japonic Coffee Farm 阿蘇の最新情報はこちらから
Follow us!
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram

Social Impact目指すソーシャルインパクト

1. 障害者・ひきこもり者等「生きづらさ」を抱えた人たちの雇用創出

2. 自然栽培とスマートハウスによる「新しい農業モデル」の創出

3. 阿蘇・熊本の活性化や、将来的な他地域展開による地方創生への貢献

Final Goal世界最高級コーヒーの実現に向けて

Japonic Coffee Farm 阿蘇のビジョンでもあり、最終的なゴールは「世界最高級のコーヒーを、日本から」です。コーヒーにはカップ・オブ・エクセレンス(Cup of Excellence:COE)という、世界的な品質審査制度があります。アメリカのNPO法人であるACE(アライアンス・フォー・コーヒー・オブ・エクセレンス:Alliance for Coffee of Excellence)によって毎年開催されるカップ・オブ・エクセレンスでは、3段階の審査によってコーヒーの品質をスコア化します。最低87点以上のスコアでCOE入賞となり、スコアの平均点が90点を超えると、さらに上位の表彰であるプレジデンシャル・アワードを受賞します。3段階の審査中、少なくとも5回以上の品質評価が行われ、コーヒー生産国・消費国双方からコーヒーのスペシャリストが選出されて審査員を務めることから、公平で客観性のある品質審査制度として定着しています。

Japonic Coffee Farm 阿蘇では、「世界最高級のコーヒーを、日本から」というゴールの具体的な到達目標として、COEでの90点以上のスコア獲得を目指しています。このため、パナマ・エスメラルダ農園の気候にできるだけ近づけた温度管理や、自然栽培による味と香りの追求を行いつつ、毎年の改良を重ねていきたいと考えています。評価という意味では、国内外の著名なホテルやレストラン等での提供も将来的には行っていきたいと考えています。そのため、最初はJaponic Coffee Farm 阿蘇自体を知ってもらい、ビジョンに賛同・共感いただける方を少しずつ増やしながら、阿蘇産のコーヒー豆のみを使用した「100% Pure ASO」 を広げていくことから取り組んでいきます。さらに、世界における知名度向上も視野に入れ、2025年の大阪万博への出展など、情報発信についても力を入れていきます。

What's Newお知らせ

2022/05/26
株式会社Japonic Coffee Farm 設立。
2022/06/10
Japonic Coffee Farm阿蘇 ホームページ公開。
EN